正しい姿勢を保つことは、ダイエット成功への近道です。姿勢を正すことで、筋肉量が増え、基礎代謝が上がるため、脂肪を燃焼しやすい体質を目指せます。本記事では、姿勢とダイエットの関係性と姿勢を正す具体的な方法について、あんしん漢方のヨガインストラクター、高橋かなこさんに伺いました。
姿勢で変わる「安静時基礎代謝」
安静時基礎代謝とは、人間が安静状態で消費する最低限のエネルギー消費量を指します。普段の生活で、ただ座っている状況もこれに当てはまります。
デスクワークが多い普段の生活では、じっとしている時間が1日の大半です。そんな運動していない時の代謝を上げると、太りにくく痩せやすい体質を作ることができます。
では、具体的には何をすればよいのでしょうか。答えは「正しい姿勢を保つこと」です。実際、座った状態でいうと、「ゆったり座る」姿勢と「背筋を伸ばす」姿勢で30分間座った場合では、4.3kcalのほど消費エネルギーに差が出るといわれています(体重60kgの場合)。4.3kcalと聞くと少なく感じますが、1日たった30分間背筋を正すだけで、1か月にすると129kcal(大福餅1個程度)になるので、あなどれません。*1
基礎代謝は年齢とともに減少する
基礎代謝量は、年齢とともに減少する傾向があります。これは、加齢に伴い筋肉量が減少し、代謝率が低下するからです。また、加齢に伴い骨密度が低下するため、からだの重心が下がり、からだのバランスを保つためにエネルギーを消費する量が減少することも影響しています。この基礎代謝量を高めるためには、運動だけでなく、姿勢の矯正も重要です。*2
安静時基礎代謝を高める正しい姿勢
ここからは、正しい座り姿勢についてご紹介します。悪い姿勢が続くと、基礎代謝が落ちるだけでなく、肩こりや腰痛、消化不良など、さまざまな不調の原因になる可能性もあります。是非、日常的に意識して正しい姿勢をキープしてください。
痩せ体質を目指すための正しい座り姿勢とは
正しい座り方
1. 足の裏を床につけ、ひざ・腰は90度にする。
2. あごはひいて、背もたれに寄りかからない。
NGな姿勢
NG例です。
ポイントは「骨盤を立てる」ことです。骨盤が後ろに倒れると背中が綺麗なS字カーブを描けず、姿勢が悪くなってしまいます。骨盤を立てるためには、おへその下に力を入れて、背骨を天井に向かって真っ直ぐ伸ばすことを意識するとよいでしょう。「正しい姿勢が長続きしない」という方は、お尻の下にクッションを敷くのもおすすめです。
基礎代謝を高めるには漢方によるアプローチもおすすめ
基礎代謝を高めるには漢方の活用もおすすめです。
漢方薬は、老廃物を排出したり、血流を改善したりすることで代謝を上げて、太りにくく痩せやすい体質を目指します。
代謝のサポートに効果のある漢方薬を2つ紹介します。
代謝を促すおすすめの漢方薬
・大柴胡湯(だいさいことう)
→からだの余分な熱をとり除き、肝の働きをよくして、脂質代謝を改善します。
・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
→脂肪代謝機能を改善し、ため込んでいる脂肪を減らすのに役立ちます。
どの漢方薬が自分に合っているのか、とくに初心者の方は選ぶのが難しいでしょう。自分の状態や体質に合った生薬を選ばないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が起こることもあります。必ず漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談して、選択するようにしましょう。最近ではAIを活用した「あんしん漢方」のようなオンライン相談サービスも登場しています。
痩せやすい体質を目指すには普段の姿勢から見直そう
今回は座り姿勢を中心にご紹介しましたが、もちろん立ち姿勢も普段から意識することが大事です。ダイエットを成功させるためには、痩せやすい体質作りが近道にもなります。是非、普段の姿勢を意識して、そして興味のある方は漢方薬もあわせて試してみてください。
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