今日の腸活が10年後の私をつくる!肌も体も心も「腸次第」

免疫力やメンタル、肌にも影響を及ぼすのが腸。肌、体、心は、腸の健康と相関関係が深いことがわかっています。だからこそ、腸内環境を整える腸内活動――「腸活」(大腸活)を。いつまでも健康的に生きるなら、40代からの腸活が分岐点です。

■教えてくれたのは….

大塚 亮先生
おおつか医院院長。医学博士。循環器専門医。著書に『お医者さんが薦める美腸活レシピ』(三空出版)など。長男の離乳食でも腸活中。

清水加奈子さん
管理栄養士。国際中医薬膳師、調理師などの資格も持ち、レシピ提案も多数。監修書に『太らない食べ方 新装版』など。ヤクルトのすごさを改めて実感中。

ヒトのラスボスは腸!腸が人生もマインドも決めている

動物は、発生学的には腸から発生し、腸が効率良くエネルギーを取り入れるために脳ができたと考えられている。腸は脳とつながっているため、脳がストレスを受けると腸の動きが悪くなり、腸の動きが悪くなると脳が不安を感じる。これを「脳腸相関」という。また、大腸には免疫細胞の70%が集まっているため、肉体的、精神的なストレスを受けると腸内環境が乱れて免疫力が低下。便秘や肌あれにもつながる。「さらに、〝幸せホルモン〟と呼ばれるセロトニンの多くが腸内で作られているので、腸内環境が良くなると多く分泌され、脳は幸福を感じやすくなります。つまり、その人の性格やメンタルを作っているのも腸なんです。腸内環境を意識した生活習慣を続けると、肌も、その人の雰囲気も若々しく見えてきます」(大塚先生)。まさに、腸は「第2の脳」といわれる程全身に影響力が大。その腸内環境に影響するのが腸内細菌(腸内フローラ)で、約1,000種類、約1兆個の細菌が存在するといわれている。善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類があり、生まれもった細菌のバランスは人それぞれで異なり、生活習慣などでも変わってくる。健康な腸を育てるには、日々の食事で食物繊維をはじめとする栄養素をバランス良くとり、善玉菌を優勢にしたいもの。「お通じのために下剤に頼っても、腸活にはなりません。糖質のとりすぎは糖化を招きますが、だからといって食物繊維を含む炭水化物(糖質)を極端に制限すると食物繊維が足りず、腸内環境が悪化します。一方で、添加物やナノプラスチックも腸内環境に悪影響を及ぼすことがわかっているので、体に入れるものはしっかり選びたいですね」(大塚先生)

悪玉菌…乳酸菌、ビフィズス菌など。整腸作用など有用な働きが。

日和見菌…善玉菌、悪玉菌に入らない菌で、優勢な方と同じ働きをする。

悪玉菌…大腸菌やウェルシュ菌など。有害物質を作り、体に悪影響が。

腸内細菌は善玉菌、日和見菌、悪玉菌が2:7:1の割合が理想。善玉菌だけを増やせばいいわけではなく、細菌の多様性を保つことが重要。食物繊維などをとり悪玉菌が増えにくい環境を。足りない場合はサプリやスムージーなども取り入れて。

肌を見れば腸内環境がバレる!?肌トラブルも化粧ノリも腸次第

腸内と肌は密接。腸内環境のバランスがくずれ、ぜんどう運動が鈍くなると便秘になりやすくなる。すると腸内にたまった便が腐敗し、アンモニアなどの腐敗物質を産生。「バリア機能が低下した腸管から血管を経て腐敗物質が全身を巡ると、炎症や免疫異常から吹き出物や肌あれなどのトラブルに。腸内が悪玉菌優勢の状態だと有害物質を排出できず、肌のターンオーバーにも影響を及ぼします」(大塚先生)。一方で、不安や怒り、悲しみなどの精神的ストレスが脳にかかることも肌に影響が。「自律神経のバランスがくずれ、毛細血管の血流が悪くなると肌あれやくすみにも。腸と脳と皮膚も相関し合っているので、腸内環境を整え、腸内で作られる幸せホルモンのセロトニンを分泌させて、ストレスに負けない幸せ体質を作ることも美肌への近道です」(大塚先生)

年齢と共に腸内環境は悪化。40代の腸活で10年後に差が

免疫力は20代をピークに低下し、50代以降は悪玉菌が増えやすくなる。 腸内環境が良くない状態で60〜70代になると免疫のバランスがくずれ、感染症やがんになりやすくなったり、高齢者に多い便秘の悪化や、自律神経の乱れから不眠症といった不調も。「腸内環境が整うと、更年期や閉経後のホルモンバランスによる不調も予防できます。40代は、生活習慣次第でその後の健康寿命に差が出てくる最後の年代。 体調が悪くなってから立て直すのは大変です。今日の腸活は10年後の自分を作ります。腸活を続けていたら、10年後の体調も肌も確実に変わると思います」(清水さん)

大腸活で改善されないなら、「小腸活」も意識して

大腸よりも腸内細菌が少ない小腸。ところが、「SIBO(小腸内細菌増殖症)」になると、細菌が増殖して大量のガスが発生したり、下痢や便秘、腹部膨満、肌あれなど、さまざまな症状が現れる。これは主に糖質のとりすぎなどが原因。「例えば、大腸では必要な食物繊維も、小腸では悪玉菌の餌になることも。下痢や便秘をくり返したり、大腸活をやっても改善しなければ、オリゴ糖など4種類の糖質を控える食事療法『低FODMAP食』を取り入れると、改善が見られます」(大塚先生)

「ポストバイオティクス」という新しい菌活にも注目!

腸内細菌の代謝物である「HYA™」(10-ヒドロキシ-シス-12-オクタデセン酸)含有の機能性表示食品。肥満気味の人の内臓脂肪を減らしたり、食後の血糖値の上昇を抑える機能がある。1日9粒、1回3粒程度とるのがおすすめ。Noster CUMEC HYA™-50F 180粒ボトル ¥12,500

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